平ちゃんと期間限定なあたし。(先生と王子様と演劇部な私。スピンオフ)

 怖気づいたらしい堀木戸さんを放ってカオリちゃんが中に入ると、堀木戸さんが待って、と慌てて後を追った。



「三分経ちましたので、次の組、どうぞお入りください~」


 係員のお兄さんが爽やかに案内してくれる。

 あぁ、やっぱり入るんですね……。


「やっぱやめません?」

 オズオズと言ってみるけど。


「俺が守ってやるから」


 なんて悩殺的な微笑みを向けられ。


 何か騙されてるのは分かってるのに、思わず差し出された手を取ってしまった。