平ちゃんと期間限定なあたし。(先生と王子様と演劇部な私。スピンオフ)

 平ちゃんはあたしの首に手を添えると、自分に引き寄せた。



 そしてゆっくりキスをする。



 初めての、深い、キス。


「ふ……」


 初めての体験で、息ができなくなっていると、平ちゃんが目を細めて微笑む。



 その手にはいつの間にか箱から出した指輪があった。



「将来、俺のお嫁さんにする予約、していい?」


「親に先に話をつけておきながら、いまさら本人確認する意味あるの?」



 あたしが言うと、平ちゃんが柔らかく笑う。