それは……。 その箱に描かれていたのが、平ちゃんと女の子を見かけたジュエリーショップのロゴだったから。 「渡す相手、間違えてるんじゃないの?」 急に冷たくなったあたしの口調に、平ちゃんが首を傾げる。 「あたし、女の子とそれを買ってるところ見たもん。あたし宛じゃないんでしょ? あの子が新しい彼女なんでしょ?」 急にじわりと、涙が浮かんできてしまったけど、止める気にはなれなかった。