「はい」
「・・・え?」
そういって差し出されたのは5万円。
「なにこれ・・・」
「今日付き合ってくれたお礼!」
「付き合うって・・・私まだ何もしてないよ?」
馬鹿じゃないの。それじゃあんた大損してるようなもんだよ?
「一緒にいてくれるだけで充分だよ。」
ドキン。
馬鹿だ。どうかしてる。
「俺一人暮らしだからさっ、今日も泊まっていきなよ。」
「うん」
嘘のカケラもないや・・・
不思議な人だなあ・・・
でもさすがに何もないなんてことは・・・
「じゃあ俺明日も仕事だから先に寝るねっ!布団はそこに敷いてあるから!」
「あ、ありがと」
って布団別々ですか・・・
呆れた。
「おやすみなさい」
「・・・おやすみ」
男はニッコリと笑顔を浮かべて
自分の部屋に行ってしまった。
「ちょっ、本当に何もなかった・・・」
何か悪いなあ・・・
何かできることとかないかな
あ、そうだ・・・
・・・お弁当!!
私は真っ先にそれが思い浮かんだ。

