今宵…甘ったるい幸福の中で

「何でさ~俺に話してくれない」

寂しげに洋介は言った。

雛は胸が苦しくなった。

ただ雛は俯いて黙り込む。

洋介のアパートに辿り着く。

「降りて」

不機嫌な彼の声に従い雛は車から降りる。

二人は黙って部屋に入る。

「んで何があった」

雛の顔を覗き込む。

「あたし…」

「ん」

「やっぱり…自信ない」

か細い声で雛は言った。

「何が」

「あたし特別可愛いわけぢゃないし無理だよ」

雛は投げやりになり叫んだ。