音楽室は4階の一番奥。



一階上がるとだんだん大きく聴こえてくるのは、蒼空くんが弾いているピアノの音。





(この曲…)




私が好きなアーティストの曲だ…




蒼空くんも好きなのかな。



そう思うと、勝手に親近感がわく。






スゥー…っと扉の前で深呼吸。



…よしっ



「失礼しまーす。」



「あれ珍しいお客さん。」



「ちょっと話があって…」



「こっち来る?」




笑顔で私を迎えてくれた蒼空くんは、長いピアノ椅子をポンポンっと叩いた。