「…して。」 「ん?」 「離して、って言ってるの!」 でも…どうしてなのかぐらい自覚してしまうんだ。 それを…認めたくない。 …だから言っているのに。 「なん、で…離してくれないの!」 「じゃあなんで逃げるの?」 「…帰るから」 「まだ買い物終わってないのに?」 買い物籠を指さされてうっ、と声を詰まらした私は。 「一緒に家、帰ろう。」 頷くことしか出来なかった。