「お前…いい加減にしろよ。」 「だって一花ちゃん…寂しそうだよ?」 「…受験なんだから分かってくれてる。」 歩夢の首根っこを掴んで遠くへやる姿はまるで猫扱い。 陸――私の彼氏が、な?と同意を求めてきたから反射的に頷いた。 …そうだよ。 私は歩夢に構っている時間なんかない。 陸は、成績優秀。 親が政治家だからか厳しくて…高校は県内で有名な高校に入れと言われているらしい。 だから…普通の公立高校へ行こうと考えてる私とは正反対で。 …全然遊べない日々が続いてる。