バカバカ、と叩いてくる莉子が可愛く思えて。



小さいながらも抱きしめる俺。





それは。




「私の気持ちに気づけないから騙されるんだよっ」



「莉子…」



「見ていられないんだバカ!」



「叩くのやめて莉子。言いたいことあるから。」



「なによっ」



「好きなの。」





――感情を隠す必要がなくなったから。