だから―― 私の頬に触れている手がどんどん力無く下がっていく。 私はそれを掴んで咄嗟に叫んだ。 「私は好きだ、バカ!」 顔じゃない。 話していたから高まったこの想い。 『琉生に想いだけでも伝えられますように!』 ――この想い届け。 「好き、なのっ」 「……莉子。」 「琉生ー!」 「あー!なんだよ、なんでそんな可愛くなってんの!」 そう叫んだ彼の顔は真っ赤に染まっていた。