「莉子書かねーの?」 渡された短冊を片手に、何を書こうか悩み中。 …一つだけ、願いはあるけど… それを書く勇気はない。 「…っと。」 もう既に書き終わっている琉生は笹に飾ろうと、つま先立ちをしているところだった。 …って。 「琉生!そんな高いところにやるなら、私がやってあげるから!」 「うるせー!自分でやらなきゃ叶わねーの知らねーの?」 「そ、それくらい知ってるわ!」 なによ、人がせっかく親切にしてるのに…。 もうやけになって書いた短冊は、飾られると同時に風に揺れていた。