「なぁ、」 「……きゃっ」 目の前に立っていたからか、腕を引っ張られて。 「……」 「ご、ごめんっ…!」 気づいたら翼くんを上から見下ろす形になった。 これは、早くどかないとマズいんじゃ…? でも、力を入れて退こうとしたのに翼くんはじっと見つめてきて。 「…んっ」 親指で私の目尻を拭った。