「あのな、」 ――好きなやつを見ると、周りって見えなくなるの。 『蒼空、彼女出来たんだって?』 『うんっ、あの子!』 そう言って指差したのは女子の二人組。 『あの元気そうな子!』 でも俺が目に入ったのは。 「うー…嬉しいよぉ…」 少し内気な榊原だった。