夏の名前





「…やっと来ましたね。」





呆れ顔のニノ。




「だって、ここには住んでないって聞いたから…。」




「この日になると、ここに歌いに来てたんです。」




そうだったのか…。




「ねえ。さっきの曲…。」




「楽園ですか?」




「俺、曲名聞いてなかったんだよね。」



「あれ、そうでしたっけ。」




「歌ってよ。」







ギターを構えると、ニヤリと笑うニノ。



「相葉さん。人に物を頼むときは?」




「う…歌ってください?」