夏の名前




「病弱って?」


「生まれつき。生まれてすぐ、空気のいいここに引っ越したらしい。それから13年。」



(1つ年下なのか。)


「そうなんだ…。でも俺も身体、強くないよ。すぐ熱出すし。」



「でも元気そうじゃないですか。」



「そうかなあ?あ、いつもここで歌ってんの?」



「ここなら迷惑かけませんから。…歌、好きなんです。」



やっと年齢に合う顔をした。

なぜか、ホッとしてしまった。



「さっきの曲、俺好きだな。誰の曲?」



「自分で作りました。」



「え!?ほんとに?すげえな。」



心からそう思った。


「どうも。」



微妙に視線をそらされた。

照れてんのかな?



「もう一回聴かせてよ。」