夏の名前




そのまま少したった。


穏やかに風が吹きゆく。



「じゃあ、俺…行くね。」



相葉さんが立ち上がる。



「行ってらっしゃい。」



サヨナラはいやだった。


…また、会いたいから。



「行ってきます。」



相葉さんも微笑んだ。









バスは、青空に溶け込むように消えていった。



向きを変え、歩きだす。



「お揃いも、悪くないね。」




空に呟いた。