夏の名前





「ずっと詩が浮かばなかったんですけど、相葉さんに会って思いつきました。」



ひと息に言うと、また苦しくなった。



「中に、テープが入ってます。」



今度は、俺が相葉さんを真っ直ぐ見る。


「俺は一緒に行けないし、毎日歌ってあげることもできない。だから、これを代わりに持って行って。」



レコーダーごと、相葉さんの手を包み込む。



「…わかった。」



うなずく相葉さんに、腕をまわされた。


「ニノ、ありがと…。」



「…相葉さん、男同士で抱き合っても嬉しくないです…。」



でも、俺も腕をまわす。


…本当は、うれしかった。



((しばらく会えないね。相葉さん。))




これが、“切ない”って感情なのかな?