夏の名前




気まずい沈黙…。


「どこから来たんですか?」



沈黙を破ったのは、彼のほうだった。



「あ、えっと…、千葉。」


「待っててください。」


ギターを俺に渡すと、木をつたって降りてくる。



「名前は?」


ギターを受け取りながら、聞いてきた。


「相葉雅紀。」



「ふ~ん、相葉さんね。」



「雅紀でいいけど…。」


「俺は二宮和也。」


…無視された。

でも気をとり直す。


「じゃあ、ニノって呼んでいい?」


ニノは、ちょっと驚いた顔をした。



「珍しいな。俺と仲良くしようなんて奴、なかなかいないですよ?」


「…?なんで?」


「さあね。俺、病弱だし、遊んだりしないからかな。」



一瞬、悲しげな顔になった気がした。