夏の名前





―あいばさ…ん!!



心の声に気づいてか、相葉さんがこちらを向く。



…まるで、映画の1シーンのように。



相葉さん…、よかった…。



―力が出ない。


立っていられなくなり、草むらに倒れ込む。



「ちょっと待ってください!」



運転手にそう言って、駆け寄ってきた相葉さんに抱き起こされる。



「ニノっ、大丈夫!?」


―声うるさい。

大丈夫じゃないからこうなってんのに。



「何やってんだよ、バカ!走っちゃダメだろ!」



―バカはどっちだ。


誰のために走ったと思ってるんですか。



「ほんと…っ、びっくりしたぁ…っ!」


―泣くなよ。



((泣かせたのは俺か…。))