夏の名前




目覚ましが鳴ったのか、ならなかったのか。



とにかく、疲れで起きるのが遅くなった。



「やばい…、時間…。」



あわてて支度を始める。


こんなとき、この身体を恨む。



朝は辛い。


しかも、すぐにたまる疲れは消えない。



(今日は急ぐつもりだったのに…。)




ため息をついてしまう。




あ…。


“この身体でも、よかったんじゃないか?”


そう言ってくれたのも、相葉さんだ。



そう思える日がくるなんて、考えもしなかった。









玄関に来たところで、電話が鳴った。