夏の名前




少し開けた場所に着くと、何故か頭上から声が聞こえてきた。



「???」



上を見上げると、同い年くらいの少年が、木の枝に座っていた。

腕にはギターを抱えている。



歌声の主は彼だった。


華奢な身体で色白。

しかし、瞳からは強い光が溢れている気がした。



男ながら、綺麗だと思ってしまった。




ゆったりとした風が、2人の間を通りすぎる。


俺の視線に気づいてか、少年がこちらを向く。


―目が、あった。