夏の名前




夏の終わりを感じさせるような、香りと風。



薄暗い道を、2人乗りで進む。




「こっちに来たら、毎日歌ってよ。」




「うん。」




「うち中華屋だから、沢山食べていいよ。」




「うん。」






「動物もけっこう飼っててさ、すげー可愛いんだ。」






「うん。」





何を言っても、“うん”ばかり。



きゅ…。




ニノが、いつもより強く、腕を巻き付けてきた。




そして、ニノを降ろすまで、離れようとしなかった。