かすれたガレージロックが、小さな音量で雰囲気を造り上げている。




『SKETCH of LOVE by the COLORS』と題された今回の展示会は、総合芸術グループの作品であるということで、大いに賑わっていた。


サークル内では最も
注目されているグループだからだ。



まぁ、客の多くは結衣目当てなのだが。







「先輩の版画、評判いいですよ」



ギャラリー内がホームパーティーのような賑わいを見せる中、俺は裏口に出て、煙草を吸っていた。




「おう、小坂」


「先輩も一服中ですか?」


「うーん、どうも人混みが苦手でさ」



同じ大学の、小坂という後輩も煙草をくわえて火を着ける。