ライブ後、次は千葉に行くというシェルターズの3人とはすぐに別れ、あたしたち4人は久しぶりの地元で飲み会を開いた。
今夜はそれぞれの実家に帰ることにしていたので、軽く飲んですぐに解散となった。
元々4人の家はそんなに離れていないので、帰り道は同じだった。
思い返してみると、不思議なものだ。
ついこの間まで高校生だったあたしたちが、今はハタチを過ぎて、しかもインディーズバンドとして帰って来たなんて。
ライブを終えたあと、所沢さんは「おまえら、大きくなったな」とつぶやいた。
「今度はメジャーデビューしてからA.C.T.でライブするから」
先ほど夕貴は所沢さんにそう言っていたけど、あたしはそれが本当に実現しそうな気がしてドキドキした。
「ただいま」
昔よりも立て付けの悪くなった引き戸を開けて、あたしは少し胸を張って言った。
「おかえり、響子。お父さんも楽しみに待ってるよ」
久しぶりに会ったお母さんは、いつもと何も変わらない様子であたしのことを迎えてくれた。
年老いた飼い猫のリリィを玄関先で撫でながら、噛み締めるようにまた
「ただいま」とつぶやいた。

