僕の親父は、写真家だった。



母は微笑みながら、そして時には涙ぐみながら、寝付きの悪い幼い僕に親父の写真集を見せてくれた。





自然を愛し、敬い、神を信じ、どんな小さな命でさえも大切に思う。



親父の撮る写真は
そんな親父の精神が宿っているようで、いつ見ても生き生きとしている。


親父との思い出はないが、僕は、母よりも親父のほうが好きだった。




どんなものでも
愛を持って、美しくフィルムに写す、魔法使いのような親父のことが。