初めて、な感覚だった。 いや、正確には、二回目、かな。 感覚が消えて、約三秒。 「今、お前は詩唯。そうだろ?」 あぁ、二回目ってことは、私は私であって、すみれじゃないんだ。 何だか、ほっとした。 目の前で真っ赤になっている、けんとを見ても、安心できた。 この人はれおじゃない。 けんとなんだ。