「ん、そっか…。」

一見、超そっけない、この一言。
私にとっては好都合。
逆に、“辛かったね”とか“今まで我慢してきたのか”とか言われたら、私、たぶん泣いちゃうし。
辛かったから泣く、とかじゃなくて。
なんか、もうここまで来たら、悔しい。

「後のことは、話したかったら、話して。おれは無理して聞こうともしないし。さっきのおれみたいに聞いて欲しいんなら、全然聞く。」

「……うん……。じゃ、あとちょこっとだけ話す。他の人に今まで言えなかった分、なんかだれかに聞いて欲しくなったかも。」

けんとは、少ーしだけ微笑んだ。