Welcome to☆椿荘

婦人警官に案内されたのは

「青少年課」

と看板がかかったフロアだった

散らばったデスクが並ぶなか
奥のソファーに一郎が見えた

「一郎!!」

私の声に一郎はびくっと肩を震わせ 
振り向こうとはしなかった

「椿さんですか?」

思わずソファに駆け寄ろうとした私を
後ろから声が止めた

声に振り返ると
そこに立っていたのは
紺のスーツを着たどこか品のいい男だった

その男は
私の顔を見たとたんに微笑んだ

「やっぱり、椿だったか。」