ブーブーブー。


ケータイの着信音が鳴り響く。



「う~ん。もう、うるさいなぁ…。」

誰だろう?


うっすらと目を開けて、携帯のディスプレイを見ると。



桜井鈴香。

あ!鈴香からだー!!

親友の鈴香

小学、中学もずっと一緒だった。


ん?どうしたんだろう?



「もしも~し?」

『もしも~し?じゃないでしょ!?何時だと思ってるの!?』


はひ?

今は…7時40分だけど…。

なんかあったっけ…?。


あ!

今日から高校生だった!だから、鈴香と待ち合わせしてたんだった。
ど・どうしよう…。

「鈴香ごめん…。今から急いで行くから!」

『分ったよ!待ってるからね。』

い・急げ!壁に掛かっていた制服を急いで来て部屋を出た。

ドタドタドタ。バン。

「お母さん、おはよう」

「あら、恋おはよう。どうしたの?そんなに急いで」

「今日、鈴香と待ち合わせしてるの忘れてて…」

「そうだったの…。鈴香ちゃんに悪いから急ぎなさい」

「うん!じゃあ、イッヘヒマフ(行ってきます)」

ガチャン。

パンを食べながら急いで家を出た。