もう痛さも感じない俺の体。




母さんが俺の頬を撫でた。




そんな母さんの温もりさえも感じる事はない。








幼稚園の頃は、そんな母さんの温もりがないと眠れなかったっけ。




いつから、そんな母さんの温もりが恥ずかしく思うようになり、うざくなったんだろう。




もう、そんなのは思い出せないほど昔の事で。




今更だけど……もっと触れていてもらうんだったって思う。








冷たく硬い俺なんかじゃなく、温かく柔らかかった俺を、もっと触らせてあげれば良かったって……後悔だけが寄せてくる。