俺は自分の遺体と一晩語り明かした。




……と言うより、昔を回顧し、自分自身に問い続けた。




生きている間には問う事のなかった自身の人生について。




遺体は何も語らなかったが、そこに自分がいる事によって、客観的に自分を振り返る事が出来たように思えた。








『さぁ、最期のお別れだ。俺自身と、……そして家族や親戚達とも』








俺は親父への思いを抱き、最期の務めへと気持ちを引き締め棺より立ち上がった。