俺の肉体にとっての最期の夜、俺は自分の通夜の事を思い返していた。
小さくなった親父の事。
静かに泣いていた母さんの事。
『親不孝って、こういう事なんだろうな』
薬を飲んだあの日から、母さんはきっと苦しかったと思う。
更に、俺が死んで辛かっただろう。
それは、きっと……親父だって一緒だったんじゃないか?
淡々と事を進める親父を、俺は正直、感情がないんじゃないか?って。
俺なんかいてもいなくても、いいんじゃないか?って、思っていた。
でも、それは違ったのかもしれない。
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