それは聞き覚えのある、優しい声で… あたしは俯いていた顔を上げた。 「この子、僕のなんで。」 あの時と同じように、優しくほほえんで言う。 「笹川さんっ!」 あたしは思わず、笹川さんの腕にしがみついた。 「っ。」 そのお兄さんは、舌打ちをして去って行った。 ホッ …よかったぁ。 めちゃくちゃ怖かったよう。 やっぱり…笹川さんには、敵わない。