そうして今私達がいるのが…、そのホテルのスィートルーム。

庶民の私には縁がない、テレビでしか見たことない世界がドアを開けたら広がっていた。

余りに凄すぎて落ち着かないし、声が出ない。

「気に入らなかった?」

海里が心配そうに見つめてくる。

「違うの。凄すぎて緊張しちゃって。私、こんな凄いお部屋に泊まるの初めてだから…」

すべて言い終わらないうちに海里に抱き寄せられ、いきなり唇を塞がれた。

唇も、口の中も、体も…、すべてがアツい。

離れた唇をたどりながら海里の顔を見上げた私に。

「いつもオレの事を考えて助けてくれる夢ちゃんに今日は楽しんで欲しいんだ。だから緊張しないでね。夢ちゃん大好きだよ」

素直に嬉しかった。

私が"こくん"と首を立てに降ると、またアツい唇が重なった。