「私の分は定期があるから、海里の分の切符を買おう。Suica(JR東日本の電子カード)を使ってもいいけど、まずは切符を買ってみたいでしょ?」

海里の顔にハテナが浮かんでいる。きっと、意味が分からないんだよね。1人で電車にも乗った事がないんだろう。

「さぁ、切符を買おう」

私は困惑気味の海里の手を引いて自販機の前に立つと、使い方を説明した。

シュンとしていた海里だったけど、切符を買うのが楽しいのか?目がキラキラして来た。

もうそこからは未知の世界みたいで、自動改札には、私が笑っちゃうほど感動してたっけ。

そんなこんなで着いたのは○○駅。

この駅で有名なのは、最近出来た大きなファッションビルと、併設された高級ホテルだよね?

私は頭の中でグルグルと考えていた。