もう7時15分だ。そろそろ私も支度しないと間に合わない。
「海里。ちょっと待ってて」
私は急いで家の中に戻ると、残り3枚入った食パンの袋と、さっき作ったお弁当を差し出した。
「食パンは朝ご飯に食べてね。お昼ご飯はこれ食べて。私用だから量が少ないかもしれないけれど、無いよりはいいでしょ?」
私は家にあった食パンと、今日の自分のお弁当を差し出した。
「いいの?」
「いいよ。その代わり、私が帰って来るまで、絶対に台所には立たないでね。包丁も火も使わないでね! 約束だからね」
私は本気で海里の身の安全を心配したんだ。
「ありがとう」
海里はすまなそうに、でもかわいい笑顔でそう言った。