「………。」




足がしびれてきた。



正座なんてめったにしないから。


ああ、でも…


足を崩したりなんかしたら、あたし殺されちゃうよ。



チロリ、と上を見上げると


まさに鬼の形相のママが私を睨んでいる。


慌てて、視線を下に向けた。



「…風子?ママはね、頑張って出来なかったなら怒ったりなんかはしないの。」


「…はい。」


「あなたがテスト期間中、勉強しないで、アニメ見たり友達と遊びに行ったり無意味に夜更かししてみたりしてて…」



話しながら、ママは紙をひらひらと落とした。


私の目の前の床に落ちたその紙には、綺麗な丸が描かれている。





「テストでこんな点を取ったから怒っているのよ?」




その丸は、見る人が見れば“ゼロ”とも取れる。


ううん、現実を見るのよあたし。



つまりは0点の答案用紙。


あたしはママに言い返す術がなかった。