「ユウト。あたしバイトしたい」

ソファーであたしを後ろから
抱きしめてるユウト。

どんな顔してるかなんてわからないから、
あたしの心臓はドキドキだ。


「………」

「ユウト?」

「ナツがしたいならすればいいよ」


声のトーン低い。
やっぱり嫌だよね。


「やっぱりやめる。
 きっとめんどくさくなるし」

「うん。その方がいいよ
 ナツは不器用だもん。
 あ!そうだ。今日、
 ナツが好きな作家の
 本の発売日だよね」

「そうなの?じゃあ、
 本屋行きたい!
 行ってきていい?」

「いいけど、
 俺が車で動かす。」