「もしもし早河です。
 河原ミユさんはご在宅でしょうか?
 …あ?ミユ?久しぶりー。
 高校のときの同窓会で
 連絡網なんだけど
 回してほしい人がいるんだー。
 ミユ知ってると思うんだよね。
 “亜木原マキ”なんだけど…―」



 あたしは早河じゃない。

 早河は死んだの。

 ずっとずっと昔に死んだ。

 あたしはあなたじゃない。

 あなたが羨ましかった。
 
 けど、もう羨ましくない。

 死んだら…意味ないよ。