ドカッ
私は教室に入ると鞄を投げるように床に置いて、椅子に座った。
「あれぇ?新しいダチっ子!?」
嫌に弾んだアニメ声が聞こえて、私は椅子をキィーッと後ろに揺らした。
ツヤツヤと輝く茶髪のツインテールに大きなピアス。
化粧バッチリの小柄な女の子だった。
「誰…アンタ」
クラスメイトかな、別にどうでもいいけど。
「えー?あたしは佐宮和だよお♪『なぎちゃん』ってよんでねぇ〜」
誰が。
「お、なんや楽しそうやな。」
「あっ、倉ちゃーん」
おいおい、仲間引き連れてくんなよぉ…めんどくさい。
もう人とは関わりたくないのに…
「俺、倉下奏陏☆それにしても可愛い子やな!!名前は何て言うん?」
私はゆっくりと椅子から立ち上がり、素っ気なさそうに
「相田あず」
とだけ答えた。
人と関わらないようにするには、これが一番。
簡単な事。

