タッタッ…
「郁!!」
少しすると、明也が息を切らしながら走ってきた。
「明…也」
また、目に涙が溜まる。
我慢…泣いたらまた、明也に心配かけちゃう。
「郁…何があったか、話せるか?」
「うん…」
私達は近くの公園のベンチに座った。
「そっか…そんな事が…」
「…」
一通りの事を話すと、明也はそう呟いた。
私は涙を堪えるため、何も答えられない。
「つらかったな」
私は静かに呟いた。
明也に話したら、少し楽になったかも…
カタン…
私はゆっくりとベンチから腰を上げた。
「話聞いてくれてありがと…またね!」
私は無理して明也に笑いかけた。
バレない…よね。

