携帯を閉じて、歩き出す。

すると…

「あれ?」


目の前を歩く、忘れる筈のない後ろ姿。



「…陸?」

絶対に陸だ。


やっと…会えた。


「陸っ!!」

陸はゆっくりとこちらを向いた。


「…郁…??」

陸は…悲しそうな、嬉しそうな複雑な顔をしていた。

「陸、今まで…何してたの?」
「…」

陸は俯いて何も言わない。


「私…急にいなくなられて、寂しかったんだよ」
「…」

私は涙を流した。


「ねぇ…答えて。答えてよおっ!!」

思わず叫んでしまった。



「…うっとうしい」