17歳 夏
陸が消えてから、はや1年。
「忘れた方がいいのかなぁ…」
「とか何とかいって、1年もたって何それは!」
愛子は私の左手薬指にある指輪に視線を落とした。
「えっ?えへへ、これは陸との…」
「バカッ!!」
遮られてしまった。
「バ、バカ!?」
「忘れなきゃだめっしょ!!」
「うっ…そうかもだけど〜…」
陸を忘れなきゃいけない。
それは充分、分かってる…
でも、それが出来ないと知っている以上。
忘れる、なんて…
「ねぇ、郁??」
落ち込んでる私に愛子は話しかける。
「…はい?」
「うわっ、テンション低っ」
愛子さんったら…
「まあいいや。あのさ、新しい恋すれば?」
「新しい…恋??」
愛子は頷く。
「うん、昔の恋忘れるには新しい恋でしょ」
「そっか…」
新しい…恋…