「…誰??」

恐る恐る聞いてみる。


本当は聞くのが怖い。

聞きたくない。


でも、口が勝手に動く。

これも…

仕事の癖かな?


私の頭の中には拓と仲良くしていた、クラスの女の子が次々に浮かぶ。


「あのね、その人はすごく近くにいた」
「…」

私は黙る。


一体…誰??


「今、僕の目の前にいる人。」

ふうん。


目の前…か。


ん?

それって…


私は拓を見つめる。