「それより、どうやって僕の運命の人を探してくれるんですかっ?」
興味ありげに、拓は問う。
「はい。えっと…とりあえずあなたの私生活を私が見ておく必要がありますので、あなたの高校に通います」
私は模範的に答える。
これが、仕事だから。
「分かりました…ってゆーかさ。敬語やめない?しかも、僕の事。『あなた』じゃなくて、『拓』っいいからさ。」
でも、拓は。
いとも簡単にそれを破った。
「…はい。拓、これからよろしくね」
まあ、依頼人がそう望むならそうしよう。
「うん!君の事は何て呼べばいい?」
「…お好きにどうぞ」
私はお茶を飲む。
「下の名前は?」
「美以子」
「じゃあ、美以子で!よろしくね」
「うん」
こうして。
私は、拓の運命の人を探す道を歩み出した。

