梓猫's Short Story



「オレに夢中にならせてやる」
「…出来るもんなら」

アタシはフイッと顔を背けてその場を去った。


不覚にも、ドキッとしてしまった。



この、アタシが。


「ムリ。夢中になんて、ならない」


アタシは家に帰って鏡を見ながら呟いた。


でも…


「玲乃。オレの名前知らないでしょ?」


今までの男子とは違って彼はアタシばかりに興味をもたず、自分を知って欲したがる。


「うん。知らない。」

アタシは素っ気なく答える。


「高杉 純(タカスギ ジュン)だよ。純粋の純。」
「そう、純。純粋には全然見えないけど」
「なんで?」
「だって…」

今のアタシ達の状況を見れば分かるだろう。