……ポタ

……ポタ、ポタ



「あ、れ?」


蓮の顔が見えなくなった瞬間

涙が、溢れ出した。


ポタポタ落ちて、止められない。
涙腺が壊れているみたいに

ボロボロと、溢れて止まらない。


泣きたくなんてなかったのに。

泣いたら、余計惨めじゃない。
蓮がいなくなるって、肯定しちゃうじゃない。

明日から会えないって、実感しちゃうじゃない…。



慌てて自分の部屋へ駆け込む。

倒れ込んだ先はベッド。


蓮に聞かれないよう、布団に顔を押し付けて



歯を食いしばって



声を殺して

泣いた。




考えもしなかった。


ずっと、一緒にいれると思ってたし

ましてこんなに悲しい現実が待っていたなんて


分からなかった。


知らなかった。



だって蓮は、

私の良いところも悪いところも
全部引っくるめて包み込んでくれた。




だから私は


この人なら安心できる

何を言っても受け止めてくれる
どんな私でも好きでいてくれる

きっと私を、

幸せにしてくれる、と。




「信じてた、のに」


信じてたのに…。


言葉にした瞬間、残酷な現実が胸の奥に刻み込まれた気がした。


どうしよう。


絶望も

悲しみも

寂しさも


全部、出しきれない。

涙で全部、流せないよ。