愛、シテあげる。*完*

切れ長の瞳が、ゆっくりと瞬きを繰り返す。




しばらくして開かれた唇。



紡がれた言葉は





「どうも」





それはとても、味気無い言葉。

まるでさっき会ったような蓮の口振りに、悲しさと切なさが生まれる。



寂しかったのは、

私だけ、だったのかな。








ふと


蓮の足元を見ると


幾つもの箱が並べられている。



その中の一つに


見覚えのあるものがあった。





「それ、」


ス、とそれを指差す。



「それ……私のだよね」




私の目線の先―――



クタクタになっている、熊のぬいぐるみ。


確か小学生のとき、

捨てたもの。




「どうして蓮が持ってるの」





気がつけば、それだけじゃない。



散乱している写真には、私の顔も映っているし





保育園のイベントで作ったものとか


その他思い出の物が、箱に詰め込まれていた。



「何で……?」



驚いて蓮を見る。





そしてまた驚いた。




なんでそんな顔するの?


蓮は儚げに、夢見心地に、それでいて静かに美しく微笑んでいる。


まるで誰かが死んじゃったみたいな……。