『さっきのうっそ~。何もなかったよ。』

「僕の目は誤魔化せないよ。
明らか、なにかありましたって顔してたし。」

中村君は、あたしの痛いところをついてくる。

『だから、大したことは何もなかったんだよ~』

あたしは、この場から逃げたくなり、出口へと向かった。

だけど、後ろから腕を捕まれ、それを阻止された。

「ねぇ、どうして逃げるの?」

中村君は、あたしを真っ直ぐ見つめていて、あたしは動揺を隠せなかった。