確かに自分は自由奔放な方だけれど、だからといって、あの大きな学園を動かす力などありはしない。



「期待なんかしてねぇよ。俺はただ、お前だったらどうするかなぁと思っただけ」



諒介はそう言うと、煙草の火を消して立ち上がった。


「さて、俺は部屋に戻る。風呂、先に入っていいぞ。あと、戸締まりしといてくれ」


「了解」


「それじゃあ、明日からの学園生活、幸運を祈る」


「はいはい」



おどける諒介を適当にあしらって、二湖は洗い物を一つ残らず片付けた。

一息ついて、リビングのソファーに座ると、今日1日の出来事が浮かぶ。


新しい学校。

人形みたいに綺麗な青年。
「キング」と「ナイト」

懐かしい幼なじみ。


確かに、諒介が言ったように、これからは程遠い生活が送れそうだ。